「AIを制すものが未来を制する」っていうけれどAIってなに?

「AIを制すものが未来を制する」っていうけれどAIってなに?

10年後の日本を予想する

「AIを制すものが未来を制する」

日本が世界に誇る実業家にして、世界の大富豪の一人である孫正義氏が2018年7月19日に開かれたビジネス顧客向けのイベント「Softbank World 2018」の基調講演で述べた言葉だ。

「10年前に、スマホを自分のポケットにもっていて十分活用していますか?と聞いても、5%、3%もいなかったのではないか」と、スマホの普及を例にとりながら、10年後にAIが広く普及することを予測した。

これは、大変なことになる。そう直感したのが3年前だった。

孫さんの言う未来図は、特にITについてはピタリとあたる。この10年で誰しもがスマホを手に取るようになったごとく、今後の10年でAIがあっという間に人々に、そして社会に広がるという。

製造業、モビリティ、金融、医療などの分野でAIにより産業が革新されるというのだ。

AIとはなにか?

孫さんの講演を聴いて以来、のどに刺さった魚の小骨のごとく、AIという言葉がチクチクと事あるごとに痛い。

「AIとはなにか?」

AIを理解しないと、世の中の流れについていけなくなるのではないかと少々焦る。大きな変化にのれなければ、ビジネスチャンスを逃すことになる。

「パソコンを使って仕事をしてきた。もちろん、エクセルで数値分析したこともある。ホームページだって作れる。SNSをつかってスマホでコミュニケーションするのは日常茶飯事だ」

ITを使った生活にどっぷりと浸りながらも、AIとなると想像すらできない。

それでもなんとかAIを理解しようと腕組みして思案すれば、まず目に浮かぶのがロボットだ。

ロボット

このロボットが、社会にどんな影響を与えるというのか?

仕事をロボットに奪われ失業する人が出るとう。ロボットが人を殺す兵器に使われ、最後に生き残るのはロボットだけ、という暗い未来の予想もある。

宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキング博士は、AIが自らの意思をもち人間と対立するかもしれないと警告している。

もはや覚悟を決めて、我々人類はロボットに共存共栄をお願いするしかないのか。

ビジネスでのAI活用

いったい、AIが社会にもたらす影響とはなんなのか?

恐れてばかりもいられない。そこで様々情報収集すると、ペッパーのように手足のあるロボットばっかりがAIではないことがわかった。

ロボットと一括りされるものの中には、工場で稼働する産業用ロボットもある。センサーにより集めたデータをもとにAIが人に代わって動力を制御し、効率的に製品を製造する。ロボットは疲れを知らない。人に代わることで、工場の生産性向上に役立つ例だ。

また、インターネットのサービスでは情報の表示にAIが多用されているという。

インターネットのショッピングサイトで、おすすめの商品を画面に表示された経験は誰しもあることだろう。このおすすめ商品はAIが選んでいるという。

人に似た知的なふるまいをする製品やサービスの背後には、AIが潜んでいるとみていい。

究極は、自動車の自動運転だ。

自動車の自動運転

車に乗り込んで行き先を告げれば、人に代わってAIが車を運転し、目的地まで連れて行ってくれる。自動車のハンドルさばきはもとより、最適なルートの選択し、搭乗者が車中で飽きないように好みの音楽も流してくれる。目的地までの到着時間を計算しながら、道中で休息できる立ち寄りスポットの案内までしてくれる。

つまり、AIには躯体をもつものもあれば、持たないものもある。AIは躯体というより機能の一部で、文字通り「人工知能」としてインテリジェンスのある動きをつくるものである。

ゆえに、AIを競合よりもいち早く自社の製品やサービスに実装することができれば、それに付加価値がつき、AIの実装が遅れている他社を制し、競争に勝つことができる。

AIの基礎を学ぶ

およそ1年間、AIという言葉に出会うたびにそれを理解しようと努めた結果、ぼんやりとAIの輪郭が見えてきた。AIを理解し活用するには、3つの面からのアプローチすることが重要だ。一つはビジネス面からのアプローチであり、もう一つはAIエンジニアとしてAIを作る側からのアプローチであり、最後にサイエンティストとしてデータを分析する側からのアプローチだ。

しかし、そう整理できてもAIの基礎を理解できたとは言い難い。

「猫の画像をたくさん与えて、コンピューターが自動で判別できるように学習させる」ディープラーニングの説明と、回帰分析だのベイズの定理といった統計用語がどうしても頭のなかで結びつかない。

もはやこれまでか、と観念したころに一筋の光明を見出した。

「AIとはなにか?」

その疑問にいち早く取り組んだ国があった。日本からは遠く離れた北欧のIT先進国フィンランドだ。

国民のAIリテラシーを高めるために「Elements of AI」という無料講座を国がつくり、ヘルシンキ大学が単位認定もしているというのだ。

この講座は、英語ではあるが、ありがたいことに日本人でも無料で学ぶことができる。

Elements of AI修了証の写真 著者の修了証

「Elements of AI」は、第一章のAIの定義に始まり、第二章ではネットの情報を活用したAIをめぐる諸問題の検討、第三章でベイズの定理等の学習、第四章で機械学習、第五章でニューラルネットワークを学ぶ。そして最後の第六章で社会実装について学び、すべてのコースが終了する。

講座の折々でテストがあるのだが、最後の設問がイカしている。

「あなたの人生におけるAI:仕事と日常生活の両方で、AIは将来あなたにどのような影響を与えると思いますか?プラスの影響とマイナスの影響の両方から回答してください」

講座を学び終えた後なので、自信をもって答えを書くことができた。

そして気が付くと、AIという言葉を聞くたびに感じていた、のどに刺さった魚の小骨のチクチクとした痛みはすっかり消えていた。

(了)

>人工知能(AI)の入門なら体験して学べる 「fromZEROでAI体験」

人工知能(AI)の入門なら体験して学べる 「fromZEROでAI体験」

AI時代を生き抜くためには、開発者だけでなく利用者も「AIとは何か」を知ることが重要です。私たちは、すべての人に「AIとは何か」を知ってもらうために、AIを体験して学べるオンライン学習サービス「fromZEROでAI体験」をはじめました。

CTR IMG