AI利用者にとって、AIを学ぶ意味とは?

AIが社会のあらゆるところに入ってきています。今日は、AI利用者がAIを学ぶことの意味について、考えてみます。

マイクロソフトの創設者の一人であるビル・ゲイツが2017年5月に、「今、私が大学に入学して学ぶなら、AI、エネルギー、バイオサイエンスだろう」とツイートしていました。

それから3年が経過しました。今、世界中で、人工知能を使った仕組みが社会のあらゆるところに、入りだしてきています。

身近なところでは、スマートフォンの音声アシスタント、ポケトークなどの翻訳機、AI搭載家電などですね。

 病気の診断では、AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェアが発売が開始されています。また、市役所では、行政サービスなどに関する質問に答えてくれるLINEなどから利用できるチャットサービスが運用されています。以下で直ぐに試せますよ!

大垣市 AI-FAQ

AIの利用者は何を学ぶべきか? 

さて、AIが様々な分野で活用されていく中、AIの利用者は何を学べばよいでしょうか? それとも、特に学ぶ必要は無いのでしょうか?

AIという便利な道具を使いこなせば、生活を楽しむ機会や活躍の場が増えるでしょう。また、働く機会を得るチャンスも増えるでしょう。しかし、使いこなせなければ、その範囲で生活せざるえませんし、働く場を失う可能性もあります。

チャールズ・ダーウィンの「環境の変化に適応できるものが生き残る」という言葉がありますが、AIの浸透という環境の変化に適応するには、どうすればよいのでしょう…

 AI時代を生き抜くためには「AIを適切に利用するための知識と能力を身に付けておく」ことが重要だと思います。

 これに関して、政府が2019年3月に策定した「人間中心のAI社会原則」の中には「社会がAIを受け入れ適正に利用するため、社会が留意すべき7つの基本原則」が記載されています。

その7つの基本原則の2番目に「教育・リテラシーの原則」があります。以下に「教育・リテラシーの原則」から、一部、抜粋して記載します。

 「AIの利用者側は、AIが従来のツールよりはるかに複雑な動きをするため、その概要を理解し、正しく利用できる素養を身につけていることが望まれる。」

 「AI を活用するためのリテラシー教育やスキルとしては、誰でも AI、数理、データ サイエンスの素養を身につけられる教育システムとなっているべきであり、全て の人が文理の境界を超えて学ぶ必要がある。リテラシー教育には、データにバ イアスが含まれることや使い方によってはバイアスを生じさせる可能性があることなどの AI・データの特性があること、AI・データの持つ公平性・公正性、プライ バシー保護に関わる課題があることを認識できるような、セキュリティや AI 技術 の限界に関する内容を備えることも必要である。

 上記に、非常に重要なことが記載されています。

  • データにバイアス(偏り)が含まれること
  •  AI技術の限界

 AIは完璧でない人間が作ったものです。人間が作るデータの中に偏りが含まれていると、そのデータを用いて学習させて作ったAIは、誤った回答を提示します。例えば、データの偏り事例として「焦点:アマゾンがAI採用打ち切り「女性差別」の欠陥露呈で」があります。

 アマゾンの事例が示す通り、AIにとってデータは命です。人間が用意するデータに偏りがあると、AIは正しい答えを導き出せません。また、AI技術には限界があります。正しいプログラムであっても「AIは100%正解することはない」ことを知っておくことも重要です。

なぜ、AIの特性を知っておくことが大切なのか?

 AIの特性を知らないままでは、AIを適切に使いこなせません。例えば、ある課題を解決しようとする時の解決手段を考えるとします。手段は大きく分けて3つあります。AIの活用、AI以外の技術の活用、人間の力です。

 課題を解決するには、この3つの力を解きたい課題に対して、どのように適応できるかを考えなければなりません。そのためには、先ず、課題を分析する必要があります。

 例えば、解きたい課題を小さな課題に分解し、各々の小さな課題は3つの手段の内、何れを使えば良いのか…… 何れの手段が確実に、早く、また安価に解決できるかを考えなければなりません。この時、AIの特性を知らないままで、考えることはできないはずです。

 AIの命であるデータを用意したり、AIを使いこなすための課題を定義する作業は人間にしかできないのです。結局のところ、AIは道具の一つにすぎません。

上記では、AIを使って「課題を解く」という点に焦点を当てましたが、そもそも「課題を解く」前に「課題が何か」を見極める力が必要です。この力もAIができないことの一つです。AIには人間が持つような欲求というものがありませんから、「課題が何か」が判らないのです。

 AI時代を生き抜くためには、どうすればよいのか?

 AIが社会に浸透する時代において重要なことは「AIには無い人間本来の能力を磨く」ことだと思います。

 「AIには無い人間本来の能力」とは何でしょう…
私たちは以下の3つが重要な能力だと考えています。

  • 感受性
  • 創造力
  •  コミュニケーション能力

 冷静に物事を分析し、真の課題を定義するには、豊かな感受性が必要です。センサーの感度が鈍いと、課題を定義するための重要な判断材料を見落としてしまいます。その結果、誤った課題設定のまま解決策を考えてしまうという状況に陥ります。仮にそうなった場合でも、感受性が豊かであれば、柔軟に方向転換が必要なことに気づくことができます。

 豊かな感受性を用いて、本当の課題を定義し、人と協力・コミュニケーションしながら課題を解決する。そして、新たな世界を切り拓いていく。そういった能力を強化できれば、豊かな生き方ができるのではないかと思います。

 また、現代はサービスの時代です。既存製品の改良に加え、新たな価値を創造できる人が活躍できる時代だと思います。

 上記3つの能力は、AIを使う使わないにかかわらず、環境の変化に適応しながら生きていく上で重要な能力だと思います。

 fromZEROでAI体験では、AIの基本的な知識を「音声付きのスライド」や「子どもから大人まで体験できる ゼロからのAI」というテキストを通して学べます。また、知識だけでなく、実際にAIを作って試す体験により、AIの仕組みを実感し、データがAIに及ぼす影響を知ることができます。

 みんなが楽しく暮らせる第一歩にほんの少しでも「fromZEROでAI体験」が貢献できれば嬉しいなと思う毎日です。

では、また!